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とは、安全運行上極めて重要である。こ旧若潮丸に比べて上部構造物が増大した本船の空力特性を把握するため、本校の風洞水信において風圧力試験を卒業研究として実施した風圧力試験をPhoto-5に示す。

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Photo-5 Wind tunnel test

3-2. データ処理システム5)
(1)設計思想
海洋関連の教育、研究機関が保有する船舶は、調査・研究システムを装備しているものが多い。しかし、船内に装備された各種のシステムを使いこなし、成果をあげるまでには、膨大な時間を費やさなければならい。しかも、研究テーマの遂行そのものよりも、道具としてのシステムの精通に時間をとられることも珍しくない。このようなことから、本船に搭載するデータ処理システムの仕様策定にあたっては
?竣工後すぐに使用できるシステム
?マニュアルなしで使用できるシステム
?学生が理解し易いシステム
?部外者にもビジュアルに理解でき興味がもてる理科教育6)設備としてのシステム
を目標に、システム設計を行った7)。また、流行りのワークステーションやネットワークを導入するだけでなく、前述の目標が実現されるように、ソフトウェア内部を含めたシステムの詳細設計に関して、充分な打ち合わせを行った船舶運行の観点から必要な機能、研究遂行止必要な機能、教育を実施する上で必要な各機能を整理統合し、システム的に無駄、むら、無理が生じないように仕様を定めた8)。
(2)標能の概要
データ処理システムの各種作業は全て対話形式で実行することができ、直感的に理解しやすいアイコンにより、基本的な機能はマニュアルなしで使用することができる。
Fig-1は、データ処理システムの基本画面であり、各機能は、この中のアイコンをクリックすることにより起動される。アイコンは機能別に
?ハードコピー関係
?各種データのグラフィック、テキスト、時系列表示
?重量・重心および排水量計算、ログブック用データ収録
?研究用のデータ収録(高速サンプリング)、x-yグラフ作成、t-yグラフ作成
?制御関連
?授業用のデータ収録(低速サンプリング)、代表的な実験(Z試験、旋回試験等)レポート用グラフ作成
?電子海図、DGPSおよびARPAターゲットの重畳表示
等の計7グループから構成されている(Fig-1における1段目〜7段目が上記?〜?にそれぞれ対応)。

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Fig-1 Starting up of data processing

(3)データ収録
データ収録機能については、シンプルで汎用性のあるものをめざし、【制御データ収録】を起動すればFig-2が立ち上がる構造とした。各ユーザは、Fig-3で自分だけが必要とするデータをマウスクリックで選択し、サンプリング周期(25msec以上)、サンプリング個数を設定する。あとは、任意の時間に収録を開始、中止することによって各自がファイルを作成すればよい。作成されたデータファイルは、DOSVパソコンからリモートマウントされているため、パソコン側のアプリケーションからも自由にファイルアクセスすることが可能である。

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Fig-2 Setting for data recording

 

 

 

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